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第777回 英語論文を執筆しよう

2025.10.09

修士論文の作成時や国際学術雑誌,国際会議への論文投稿時には,論文を英語で執筆することが必要になります.もちろん,自力で英語論文を執筆する能力を身につけることが大切なのは言うまでもありませんが,とはいえいきなり英語論文を執筆するのはかなりの困難を伴います.

最近,deep learningに基づく優秀な機械翻訳アプリ,英文校正アプリを手軽に利用することが可能になりました.これらのアプリをうまく使いこなせば,結果的に自らの英語能力の向上につながりますし,先生方に英語原稿を提出する前に英文のクオリティをアップすることが可能になります.

すでによく知られているとは思いますが,以下にいくつかのアプリと関連記事を引用しておきます.

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1.AI英語論文執筆支援ツール「Paperpal Prime Institutional Plan」

Paperpalはエディテージ(Cactus Communications)によって開発されたツールで,英語論文執筆を効率化し品質を向上させることを目的としています.広島大学ではこのツールを試験的に導入しています.また無料のお試しサービスも用意されています.

Paperpal Prime Institutional Plan(https://paperpal.com/ja

主な機能は以下の通りです.

・AI英文校正:文法・スペル・句読点・構文をリアルタイムで修正
・リライト機能:学術トーンへの変換、単語数削減
・AIライティング支援:アウトライン生成、アブストラクト作成、予測文章生成
・翻訳:30言語以上対応、日本語→英語も可能
・剽窃チェック:類似スコア表示、類似文献比較
・投稿前一括チェック:30以上の言語・技術項目を確認
・PDFチャット:論文PDFと対話し、要約や関連論文を抽出

2.機械翻訳アプリ

■DeepL翻訳:科学技術論文に強く,微妙なニュアンスのある翻訳ができるという評価を受けているスタンダードアプリ.非常にレベルの高い英訳が可能ですし,先行研究サーベイをするときには英文和訳機能も便利です.有料版も比較的安価に設定されており,また30日間無料(いつでもキャンセル可能)なので,手軽に利用することができます.
https://www.deepl.com/ja/translator

■Google翻訳:よく知られている機械翻訳アプリ.無料です.
https://translate.google.co.jp/?hl=ja&sl=auto&tl=ja&op=translate

■Google Scholar:特定の言い回しや専門用語が他の学術論文で使われているかどうかを手軽にチェックすることができます.Googleの検索演算子やワイルドカードを使えばさまざまな検索が可能です.たとえば,日本人の著者だけが使っているような言い回しは避ける,適切な前置詞を見つけるなどの使い方が可能になります.
https://scholar.google.com/

3.英文作成・校正アプリ

■DeepL Write:DeepLベースの英文校正アプリです.もとの文章をより良い英語に書き換えることができます.
https://www.deepl.com/ja/write

■ChatGPT:人間の発話をシミュレートしてユーザと自然なやり取りをするチャットボットのモデルで,オープンAIによって開発されました.英語の学術論文を作成することが可能になっています.
https://openai.com/index/chatgpt/
https://note.com/kan_hatakeyama/n/ncc312ff6a23d

■Grammarly:優れた自動校正アプリとして有名です.Wordに埋め込むこともできます.
https://www.grammarly.com/
https://www.path-to-success.net/grammarly

■Ginger Page:作成した英文を文脈に合わせてチェックする機能などが用意されています.
https://www.getginger.jp/

■AI校正の比較
https://eibun-hikaku.net/topics/ai_checker.html

4.参考情報

・以下の記事では,DeepLとGrammarlyを利用した英語論文作成法が紹介されています.
https://eanesth.exblog.jp/240618090/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000090606.html

・英文の要約文を作成するアプリもいろいろ使えそうです.
https://www.ntt.com/shines/posts/b-t_20201111.html

・「最近ものすごく優秀な修士就活生が増えている」
https://togetter.com/li/1758185
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以上をまとめると,

・日本語論文の文章作成(第776回コラム参照,自分の研究と流れが似ているような論文をサンプルとして執筆&推敲するのもよい)
⇒DeepLで英文変換
(機械翻訳で日本語に戻したときに意味が通じるよう元の日本語論文を修正)
⇒DeepL WriteやGrammarlyなどで校正
⇒専門用語や言い回しをGoogle Scholarでチェック(日本人しか使っていないような言い回しは避け,nativeが使用しているような言い回しを使う)

というような流れで作業を進めていけば,自力で英作文するよりも容易に英語論文を作成することが可能です.学術雑誌投稿論文についても,研究室内の英語能力の高い人が最終チェックをすれば,高額の英文校正サービスは不要になりそうです.

もちろん,機械翻訳アプリや英文校正アプリによって提示された英文が適当かどうか判断できるだけの基本的な科学英語力を身に着けていることが必須条件で,そのためには普段からできるだけ多くの英語論文を読んでおくことが大切です.また,英文のクオリティよりも研究内容の新規性/独創性を明確にすることがはるかに重要であることは言うまでもありませんが,便利なアプリを上手に,そして正しく利用して英語論文の作成を進めるとよいでしょう.

レベルの高い英語論文完成を目指してがんばってください!